風呂は毎日の楽しみだ。しかしその沸かし方、経済性のこととなると別だ。
一番、経済的に効率のよい沸かし方、風呂の使い方とは何か。
それは、いちいち、水を捨てて、毎回新しくお湯を張るようにすること。
体や頭を洗うには特別な目的があるのでなければシャワーを使うのはもったいない。
ただ洗うだけなら湯船の湯を汲んで使う。
水道代が極端に高い地域というのはあるが、たとえそうでもガス代よりも水道代が高いということはない。
あるいは太陽光やら風力やら、エネルギー効率がいい家は別かも知れない。
他に、緊急時のために浴槽に常に水を張っておくという心構えもある。
しかし、そういうもろもろの要素を排除して単純化し、ただ単に「浴槽に温かい湯を満たす効率」として考えると、最初から新しい湯を溜めてゆく方がずっと得だと言える。
新たに湯溜めするのと、追い炊きと、湧き上がりまでの時間が違うのに気がつかないか。
圧倒的に追い炊きには時間がかかる。
つまりそれだけエネルギーの無駄をしているということになるのだ。
世間的には誤解があるようだが、「追い炊き」と言っても何も鍋の底を火にかけるようなことをするわけではない。
そういう風呂を五右衛門風呂とかドラム缶風呂というが、それはまた別の話しだ。
ごく一般的な風呂というのは給湯器で沸かす。
給湯器というのは瞬間湯沸かし器と同じ。
つまり、お湯を循環させたり、新規にお湯を溜めたりするのが湯船を作る方法なのだ。
どんなに高性能な給湯器でも、浴槽に水が張ってあればその冷たい浴槽の水を取り込んで沸かし直し、排出し、また取り込んでと、やっている点は同じだ。
そうすると、追い炊きはどうしたって冷ましながら温かくしてゆくことになる。
一気にお湯を出して浴槽に湯を溜めてしまうよりは効率は断然悪い。
ホテルなど、沸かし直しの機能はない。常に新しい湯を溜める方式だ。
新規にお湯を溜める方が経済的に得だからだ。
だからガス代を節約するなら、水道代よりも上回るガス代を節約するなら新規にお湯を溜めればよい。
そしてその湯船の湯を使って洗顔や洗髪をすればよい。できれば使い切ってしまえば効率がいい。
追い炊きはガス代の損だ。

これを基本に考えて、それから防災を考えるとか、水資源への配慮などを考えるとか、それぞれが選択すればよいとは思う。
勘違いしたままでは判断になっていない。
少なくとも、鍋に残ったスープを温め直すのとはまるで違う。
それが風呂を沸かすということだ。