※ ここで書いている「カード会社」というのは、VISAやMasterなどの裏書をしている会社のことではありません。
カードを運営している会社のことです。
いくらVISAやMasterであっても、それは決済の保証手段を提供しているだけで、実際にお客様へポイントを付与したりキャンペーンをしたり、運営をしているのはそれぞれの会社です。
キャッシュレス決済という手段は同じでも、それぞれの運営会社ごとに規約やルールが少しずつ違っていることに注意してください。
【もくじ】
1. キャッシュレス決済の増加 2. クレカにありがちな落とし穴 3. クレカのセキュリティ b.非接触式と生態認証の未来 |
3. クレカのセキュリティ
b.非接触方式と生態認証の未来
今やクレジットカードのにもセキュリティ意識が必要ということです。
これまではクレジットカードを使う時は、お店の人にカードを渡して磁気部分を読み取ってもらいました。
暗証番号などを入力することはありません。
ある程度の金額になればサインを求められますが、サインは我が国ではあまり一般的でないため、確認してくれる店員さんは非常に少ないものです。
まずこれを不安だと思うべきです。
一時、「スキミング」という詐欺が横行したことがありました。
店舗に読み取り器が仕掛けてあって、カード情報を読み取ってしまうのです。
悪質な店舗がやる場合もありますし、外部から仕掛けられてしまうこともありました。
これで同じクレジットカードを偽造し、成りすまして使われてしまう事件が頻発しました。
これに対し、対策としてカード裏面にセキュリティコードというものをつけ、これが視覚情報であることからスキミングしてもコピーはできないということで、対策として主流になりました。
「視覚情報」というのはカードに記載されている情報で、機械では読み取れない情報です。
しかし今はネットの時代です。
ネット通販も普及し、クレカ番号を入力して決済がネットで簡単にできるようになりました。
セキュリティコードと、名前、カード番号、そのカードの有効期限、ぐらいで決済ができるようになっています。
つまり、カード番号を読まれてしまうことが今度は心配になってきます。
セキュリティコードだけで十分でしょうか。

目で見れる情報であれば他人から読み取られてしまう危険があります。
レジで並んでいる時、
後ろの人物が覗いて、店員に渡した時、
出されたクレカのカード番号や名前、セキュリティコードが読まれてしまう可能性はあります。
信じられないと思われるかも知れません。
一瞬のことでそんなことはできないだろう、と。
しかし考えてみてください。
ウェアラブルカメラや隠しカメラがあれば、後で確認して読み取られる可能性は常にあるのです。
今は小型のカメラは安価にいくらでも手に入れることができます。
後ろの人物がそのカメラ眼鏡に仕込んだカメラを回していて、後で確認したらたまたま全ての情報が読み取れてしまったらどうでしょう。
そのクレカは丸裸ということになります。

今、普及が進められている次のセキュリティ対策というものがあります。
それは、磁気カードの代わりにつけられるようになった暗号化されたICカードを利用して非接触式の決済をしようというものです。
非接触式とは、スイカなどのような交通系カードで使われている読み取り方法です。
読み取り端末にカードの所有者がカードをかざすだけで決済できるシステムです。
これならカードを店員に手渡しするということがありません。
しかしもし盗まれたカードが使われてしまったとしたら、同じことです。
ただ店にはカメラがありますし、犯罪としてはリスクが大きいと思われているのでしょう。
しかし中国や韓国からの窃盗団は日本に日常的に入国してきています。
お店側のサイン署名はチェックが甘いですし、暗証番号を打ってもらう決済方法さえ新しい端末の導入が必要で、なかなか普及しません。
いずれはこのカードに指紋や網膜情報などの生態認証が埋め込まれます。
本人以外は使えないようになってゆくでしょう。
一番考えられることは、まずはカードを使用するニーズに合わせて細かい設定をユーザーできるようになればよいと思います。
キャッシングができないようにするとか、海外では使えないようにするとか、限度額を月額数万円にするとか、暗証番号のない端末では決済できないようにするとか、ユーザーが設定を選べるようにすればいいと思います。
しかしそこは、カード運営会社で協調ができるかどうかになります。
自分の会社はカードの限度額が低く設定されてしまい、大型の買い物は他のカードで使われるというのでは不利です。
キャッシング機能を残しておけばポイント還元が多くなるとか、限度額を大きなままに設定しておけば特典が付くとか。
そういう部分での企業間競争が起きるのは望ましくないでしょうか。
セキュリティを取るか、カードの利便性を取るかということになります。
このあたりが難しいところだと思います。